店舗用約10cmフルレンジスピーカー音質特性比較 Vol.12 SONY SS-V75AV その1

スピーカー比較の第12弾です。
SONYのSS-V75AVというモデルで、サラウンド用のリアスピーカーでしょう。
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おそらくKENWOODのCM-5と同じような成り立ちなのだろうと思います。
早速分解です。
例によってコストダウンのためサランネットは外れませんので裏側からネジを外します。
まず、今までで一番短いスピーカーコードで、外したフロントとBOXを並べておくこともできません。
中には、ペラペラな吸音材が申し訳程度に入っています。
もちろんネットワークなんてなくユニット直結。
そしてBOXはケンウッド同様にペラペラです。
箱の大きさはBOSEより縦長。
そして、これで役に立っているのかと疑うバスレフポートの短さ・・・。
ユニットもきわめて普通。
うーん、これで何か期待しろという方が無理かも。


さて、問題のバスレフポートですが、ちょっと計算してみましょう。
ユニットが10cmで箱の容量が単純計算で約6.2リットル。
箱の容量はこんなもんでしょう。
ダクト計が約15平方センチ。
振動版面積の約20%です。
ここまでは許容範囲ですね。
ただダクト長が短すぎです。
ダクトの長さは約2cm。
このサイズで共振周波数を算出してみると、117Hz・・・
厳密にはダクトは出口に向かって広がっていますので、もう少し容積があると思います。
それでも100Hz台でしょう。
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つまりこのポートは、100Hz以下の低域ではまったく役に立っていないお飾りだということですね。
ユニットのf0 (最低共振周波数)がわかりませんが、これが10cmでもあれば共振周波数が73Hzになりますので、実用的な範囲になると思います。
ただそうすると、このペラペラのエンクロージャーが低域の共振でビビッてしまう可能性はかなりあると思いますが。
まー、これも周波数測定をしてみないとわかりませんが。
参考にさせていただいたのはこのサイトです。
初心者の自作スピーカー講座

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