スピーカー比較第13弾。
今回はYAMAHA NS-E103です。
これも家庭用のサラウンドスピーカーでしょう。
YAMAHAのサイトはこういう中古のスピーカーを調べるときは、本当に便利です。
細かい仕様まで生産終了の製品もきちんとデータベース化されています。
これまでのモデルと違い、エンクロージャーはBOX型ではなく、ラウンド型です。
かなりの薄型なので、BOXの容量が足りないのは一目でわかります。
メインで使用するにはつらいでしょうが、そこはYAMAHA。
一工夫あるかもしれません。
さて分解です。
これまではほぼパンチングメタルのサランネットだったのですが、これは布系の素材でもちろん例によって外れません。
何しろペア1万円のスピーカーですから。
ネジを外して、ご覧のとおり。
なんのひねりもありませんでした。
ごく普通のユニットが直結で入っているだけ。
うーん、筐体も薄いし、定格25Wでは店舗では使い物にならないのはわかっています。
とりあえずのエントリーですね。
と終わっても寂しいので昔話を。
YAMAHAには、NS-10Mというロングセラースピーカーがあります。
通称テンモニ。
スタジオモニターとして開発された小型スピーカーです。
密閉式で中には吸音材がぎっしり詰まったスピーカーです。
今でも人気で、オークションなどでは高値で取引されています。
音は、モニターですから原音再生に忠実というか、特徴のない音です。
要するに味付けがないスピーカーです。
高校生の時に電気屋さんで聞かせてもらったときは、まったくいいと思いませんでした。
そのかわり細部にわたって細かく表現してくれる緻密なスピーカーなのでしょう。
ただ、その電気屋さんがもう1個聞かせてくれたのがYAMAHA NS-1classicsというスピーカーでした。
サイズはテンモニとほぼかわりません。
試聴ソースは小編成クラシックだったのですが、その高域の繊細さにしびれました。
柔らかいのに一音一音はっきり聞こえるその感じは、今までにないものでした。
基本的にミニコンポのドンシャリ系の音に慣らされていた当時の自分にカルチャーショックを与えてくれたスピーカーです。
ただ1台6万円はおいそれと買えるものではなく、さらにはロックを聞かせてもらうと低音の迫力のなさに苦笑。
スピーカーには向き不向きがあるのだなーと思ったしだいです。
この比較も店舗向けBGMスピーカとして適しているものを探しているだけですので、ここで出てきたスピーカーが悪いというわけではありません。
今回のYAMAHAも薄く軽く、かんたんに壁掛けができる仕様ですので、ホームユースのリアやサイドにはぴったりの設計なのではと思います。
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