店舗用約10cmフルレンジスピーカー音質特性比較 Vol.33 BOSE 101MMG その3 ニアフィールドf特分析

スピーカー比較第33弾。
今回から通常の視聴ポジションにおける測定です。
順番は変わらずBOSE101MMGからスタートです。
スペースの関係で、LRのスピーカーの距離は1.5mほどです。
正三角形を描く位置にマイクを設置しました。
設置したマイクはこれまでお話した通りBEHRINGERのC-1Uというマイクです。

ソースはサインスイープではなく、通常の音楽を流して、波形の動きを動画にしました。
ちなみに比較対象はいつものROCK SOLIDです。
音声の方はLチャンネルがROCK SOLID、RチャンネルがBOSEにしていますが、正直、録音レベルが低くYoutubeにアップされているのは圧縮ファイルの圧縮なので音を聞き分けるのはちょっと難しいかもしれません。
かなりでかいスピーカーかモニター用のヘッドフォンで聞くと低域はなんとなく伝わります。
パンを使って片チャンネルずつ聞いた方がよくわかります。
タイムラインは正確に合わせていないので、微妙に音がずれているのはご勘弁を。
では、動画をどうぞ。

まず、高音の雑味が違いますね。
実際のスピーカーからの音は、ROCK SOLIDの方が断然クリアです。
ただ、ヘッドフォンで両耳で聞くとBOSEの方が音圧があるように感じます。
BGMスピーカーとしての高域の拡散性はBOSEの方がいいでしょう。
波形を見ると、BOSEはf特測定で出ていた、7kHz付近の谷がそのまま残っているのですが、私の耳ではその違いが聞き分けられませんでした。
クラシックなどのソースだとわかりやすかったかもしれません。
中域は最後の曲のエレキギターの音などは、BOSEの方がいいですね。
スネアの響きもいいです。
逆にアコースティックなどになるとROCK SOLIDの方がいいのかもしれません。
波形の動きからは、何もわかりませんでしたw
低域は、波形を見てもわかるとおり、基音の出方が違うのではっきりわかります。
ベースの音がきちんと聞き取れるのはROCK SOLIDの方です。
ただどちらが自然かと言われるとBOSEに軍配が上がります。
ROCK SOLIDはそんなにひどくはありませんが、俗にいうバスレフ臭い音です。
ROCK SOLIDの方は、なぜか重要な90Hz近辺の音が出ていません。
これは部屋の残響を調べて分かったことなのですが、定在波で100Hz近辺のレベルがかなり落ちるようです。
こうやって聞くと、BOSEは別にドンシャリ系の音ではないですね。
音の出方はフラットです。
ただ中高域はすごく癖があって、すごく雑味が多い音に感じます。
喫茶店などで、ふと流れているBGMに気づいて、「おっ」と思うとBOSE101だったということが何度かあるのですが、引っかかるのはやはり高域の音です。
ただ、そんな場所で聞くと、それがそんなに嫌な雑味に感じないのが不思議です。
今回のソースだと逆に雑味で魅力がアップする感じもします。
真剣にスピーカーの前に座って音楽を集中して聞くには明らかに向いていないと思いますが、BGMスピーカーとしてはプラスでしょう。
この音が偶然なのか、計算の賜物なのかはわかりませんが、上手い音作りだと思います。

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