スピーカー比較の第6弾です。
今回はKENWOODのCM-5。某オークションでもかなりの数出品されているスピーカーです。
中古価格も安いので興味を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は高校生(25年ほど前)の頃、自室のリアスピーカーとしてこのスピーカーを使っていたので、このスピーカーの音も作りも知っていたのですが、今回あえて購入してみました。
当時のリアスピーカーの用途は疑似サラウンドです。
今は様々な形式のサラウンドがありますが、当時はドルビーサラウンド。
プロロジックでもドルデジでもなく、無印のドルビーサラウンドです。
7.1chでも5.1chでもなく3chですw
そしてBlueRayでもDVDでもなく、レーザーディスク。
その中にリア1chの信号が入っていました。
当時は高校生でお金もなく、LDプレーヤーなんて持っていませんでしたので、電気屋さんで聞かせて(見せて)もらったのですが、後ろから音がするだけで感動しました。
それにあこがれて、リアスピーカーを追加したのです。
当時はミニコンポ全盛期で、私のシステムもKENWOODのミニコンポ(ロキシーですね)でした。
そのコンポにはスーパーウーハー(今でいうサブウーハーですね)とリアスピーカーをつなげるようになっており、アンプにサラウンドスイッチなるものがついていました。
たぶん、今でいうホール系の設定がしてあったのだと思いますが、音が部屋全体に響いているような新鮮な感覚でした。
そこからアンプを買い替え、CDプレーヤーを買い替えとオーディオの道に入っていったのですが、当時はラジカセからミニコンポ、そして単品へという明確なステップがあった気がしますし、メーカーも意識して製品を作っていたのでしょう。
CDも高かったので、ソースはFMエアチェックとカセットテープ。FMラジオの雑誌が多数あり、それがオーディオ趣味への入門となっていました。
その後レンタルCDが普及し、シリコンオーディオやケータイが普及し、ネットで音源が購入できるようになると、オーディオ趣味への入り口がなくなってしまった感があります。
話がそれてしまいましたが、このスピーカーはそうやってミニコンポのオプションとして販売されていたので、かなりの数が市場に出回っているようです。
ミニコンポ自体は、どんどんモデルチェンジをしますが、オプションはそのままだったのでしょう。
さて分解ですが、サランネットは接着なので外れません。
ネジを5本ゆるめてフロントパネルごとはずします。
中には吸音材がちょこっと入っています。
ケバケバで箱の中は吸音材のホコリだらけです。
ネットワークはありません。
ユニット直結。
ユニットもごくごく普通の紙コーンユニットです。
BOSEやVictorに比べるとマグネットが小さく見えます。
バスレフポートも紙製(別に国産ミニコンポでは普通です)。
そして、これまでとの最大の違いは、エンクロージャーの厚みです。
樹脂の素材云々もありますので、単純に厚ければいいというものではありませんが、叩いてみれば一目瞭然というか一聞瞭然で、ポンポンといい音がします。
サイズはほぼ変わらないにもかかわらず、重量はBOSEより500gも軽い。
それもこれも安くするためでしょうね。
高校生でもちょっとおこずかいを貯めれば手のとどく1万円台のスピーカーですから。
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